オフィスレイアウト

オフィスデザインのコンセプトとは?決め方やメリット、注意点を解説

投稿日:2026.10.23  更新日:2026.10.23

この記事でわかること

  • オフィスデザインのコンセプトの決め方
  • オフィスデザインのコンセプトを設定する4つのメリット
  • オフィスデザインのコンセプトを決める体制・進め方

はじめに

オフィスデザインを検討するうえで、どのようなコンセプトを掲げるべきか悩む担当者の方は少なくありません。オフィスコンセプトを明確にすることは、企業ブランディングの強化や組織の生産性向上に大きな影響を与えます。

本記事では、オフィスコンセプトの基本的な考え方、策定することで得られる具体的なメリット、さらには失敗を防ぐための体制づくりや手順、注意点について、清和ビジネスが手がけたデザイン事例を交えながら詳しく解説します。ぜひ、自社にとって最適なオフィスづくりの参考にしてください。

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オフィスデザインのコンセプトとは

オフィスデザインにおけるコンセプトとは、空間を構築するうえで根幹となる基本方針や共通のテーマを指します。企業の存在意義や目指すビジョンを、具体的な内装デザイン、レイアウト、機能へと翻訳して落とし込むための極めて重要な指針です。

コンセプトが明確に定義されていれば、オフィス構築の過程において、レイアウトの配置や家具、照明などの選定で迷った際にも、一貫した基準に沿って迅速に意思決定を進めることができます。また、一貫した方針を社内外へ正しく発信し共有することで、自社の理念や姿勢を効果的に体現する、一体感と説得力のある空間が完成します。

オフィスデザインのコンセプトを設定する4つのメリット

オフィスに明確なコンセプトを設定したうえで設計や移転を進めることで、企業経営や従業員のエンゲージメント向上において、さまざまな効果が期待できます。主な4つのメリットを解説します。

1. 企業ブランディングに寄与する

オフィスコンセプトの確立は、企業のブランド価値を劇的に高める有力な手段です。企業のアイデンティティや目指すビジョンを空間全体で可視化することで、働く従業員や求職者、ステークホルダーに対して自社の姿勢や存在意義を印象づけられます。

コンセプトに沿って社内外へ一貫したメッセージを発信し続けることが、企業ブランドの認知とエンゲージメントを強固に育みます

2. 取引先企業からの信頼と安心感を得られる

オフィスは企業の顔としての役割を担っており、細部まで洗練された空間は取引先からの大きな信頼につながります。明確なコンセプトに基づいて設計されたオフィスは、企業の価値観や強みを言葉以上に直感的に伝えることが可能です。

訪れる人に対して印象にブレのない一貫性をもたらし、「誠実で確かな基盤を持つ企業」という安心感と深い信頼感を自然に醸成できます。 

3. 従業員のモチベーション向上につながる

コンセプトが視覚化され、働く環境に明確な意図が込められたオフィスは、そこで働く従業員のエンゲージメントや業務に対するモチベーションを引き出す力を持っています。

近年では、従業員の心身が健やかで幸福に満たされた状態を目指す「Well-being」や「健康経営」をコンセプトの中心に据える企業が急増しています。適度に姿勢を変えながら身体への負担を軽減し、快適に業務に取り組める「スタンディングワーク」や、オフィスの緑化を実現する「バイオフィリックデザイン」、さらにリラックス効果に加え、偶発的な出会いから自然な対話を促す「カフェスペース」の導入は、従業員が出社することを楽しみに感じられる仕掛けとして機能します。

<関連記事>バイオフィリックデザインとは?オフィス導入の効果・事例・ポイントを解説|清和ビジネス

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コミュニケーションが活性化するオフィス事例集

4. 多様なワークスタイルへの対応が可能となる

オフィスデザインのコンセプトを主軸に据えることで、急速に変容する多様なワークスタイルに対しても、柔軟に適応できる空間を構成できます。

業務内容に合わせて自律的に働く場所を選択する「ABW」をコンセプトに組み込めば、個人の作業に没頭できるフォーカスゾーン、気軽にアイデアを交わせる少人数用のオープンミーティング、遠隔地とシームレスに繋がるテレワーク環境など、状況に応じた最適な場所選択が自発的に行えるようになります。こうした物理的なサポートが、真の意味での働き方改革と生産性向上を前進させます。

<関連記事>ABWとは?メリット・デメリットや失敗しない導入手順を解説 | 清和ビジネス

オフィスデザインのコンセプトを決める体制・進め方

オフィスコンセプトを円滑に、そして失敗なく策定するためには、どのような推進体制を整えるかが極めて重要です。代表的な3つの手法について解説します。

プロジェクトとして推進する

複数部署の代表メンバーを集め、移転プロジェクトチームを立ち上げて推進する手法は、最も効果的な方法です。経営企画、総務、人事、さらに現場の若手や中堅といった多様な視点から、現在のオフィスにおける本質的な不満や新オフィスに求める機能をバランスよく吸い上げ、組織全体が納得感を持めるコンセプトを導き出せるためです。

一般的にオフィス移転や大規模なリニューアルを計画する際、新オフィスの稼働目標日から逆算して、詳細なスケジュールを策定してプロジェクトを管理することが大切になります。実際のスケジュールは、プロジェクトの規模や内容によって異なるため、余裕をもって移転プロジェクトを進めることが大切です。特に、ビルオーナー指定のB工事業者との複雑な調整や見積もり交渉、価格適正化といった調整を伴うため、全体の進捗管理をコントロールしやすい体制を整える必要があります。

担当者に一任する

専任の総務担当者やマネジメント責任者に権限を集約して一任する手法は、意思決定のスピードを最優先に重視する場合に非常に適しています。コンセプト策定から実施計画の策定、各工程における発注判断までを迅速に進行できるメリットがあります。

スピード感を維持しながらも、経営陣と密に情報共有を図り、経営理念やビジョンとのズレが発生しないよう綿密な整合チェックを行うことが、プロジェクトを成功に導くポイントです。 

社外の専門家を活用する

最も理想的なコンセプトを具現化するためには、初期の構想段階からオフィスデザインや移転コンサルティングを行う社外の専門家をパートナーとして迎えることが極めて有効です。客観的なデータ分析、最新のワークスタイルトレンド、そして数多くの施工実績に基づく実用的なノウハウを取り入れることで、自社だけでは気づくことが難しかった潜在的な課題や可能性を引き出すことができます。

たとえば清和ビジネスでは、創業以来65年以上にわたって培ってきた豊富なノウハウを活かし、大型オフィス構築をワンストップのプロジェクトマネジメント(PM)でトータルサポートしています。これまでの実績のもと、説得力に富んだ具体的なプランを提示することが可能です。

オフィスデザインのコンセプトを決めるための手順

洗練され、かつ機能的なオフィスコンセプトを策定するためには、順序立った一連のプロセスを踏むことが欠かせません。具体的な3つのステップを解説します。

企業の理念・ブランドイメージを分析する

コンセプト設計の最初のステップとして、まずは自社の経営理念やブランドイメージを詳細に分析します。自社が社会に対してどのような価値を提供し、どのような姿勢でビジネスに取り組んでいるのかという「原点」に立ち返り、そこからキーワードを抽出して空間デザインの要素へと変換していきます。

この理念分析というブレない土台があることで、時代や環境の変化に流されない、一貫性を持ったオフィスのコンセプトを定義することができます。

現状の課題を洗い出す

ただ美しいだけでなく、実用性に満ちたオフィス環境を整えるためには、現行のオフィスが抱えている課題を客観的かつ徹底的に洗い出すプロセスが不可欠です。ここで力を発揮するのが、従業員一人ひとりの働き方の状態や本音を可視化する「従業員サーベイ」です。
「会議室が慢性的に不足して不便」「自席では周囲のノイズが気になって集中できない」「部署間の対話が少ない」といった不満点を客観的なデータとして抽出することで、新しいオフィスで何を最優先して解決すべきかが明確になります。この課題の裏返しこそが、コンセプトを補強する重要な要素となります。

コーポレートカラーを取り入れる

自社のシンボルであるコーポレートカラーをオフィスの要所に導入することは、コンセプトを色彩として直感的に表現し、空間に圧倒的な統一感をもたらす極めて有効な手法です。
ただし、単にすべての壁面や家具を同じ色で塗りつぶすといった単純な手法は避けなければなりません。エントランスの正面壁面や、共有エリアに配置する椅子のファブリック、あるいはカーペットのパターンなど、意匠的に計算されたバランスで部分的に効果的な配色を施すことで、企業ブランドを洗練された印象として来訪者や従業員にしっかりと定着させることができます。

写真:ランディス&ギアジャパン株式会社

オフィスデザインを決める際の注意点

オフィスコンセプトを策定しても、実際の空間として実用性や安全性が損なわれていては、オフィスとしての役割を果たすことができません。設計時に留意すべき5つの重要な注意点を解説します。

動線を考慮した配置設計

オフィスレイアウトを決定する際、従業員の移動動線を踏まえて配置を企画することが重要です。通路幅や、部署同士をどのように隣接させるかといった動線設計が不十分な場合、日常的なすれ違いや移動がストレスとなり、組織全体の業務効率を著しく低下させることになります。移動頻度の高いメイン動線には十分な通路幅を確保し、スムーズにオフィス内を回遊できるレイアウトを意識することが大切です。

オフィス家具のサイズと設置場所の検討

新オフィスに導入する什器や家具は、空間全体の広さや収容人数とのバランスを正確に計算したうえでサイズや設置場所を決定する必要があります。空間に対してサイズが過大であると、通路を狭めて動線が寸断されるだけでなく、視覚的な圧迫感が生まれて居心地の悪さに繋がります。デスク間の適切な距離や、椅子を引くために必要なスペースを事前にミリ単位でシミュレーションし、余白を適切に確保することが、洗練された美しい空間を維持するために重要です。

自社の目的に適したデスク配置

業務の特性や、組織が目指すコミュニケーションの形に合わせて最適なデスク配置パターンを選択することが、従業員のパフォーマンスを最大化につながります。
たとえば、オフィスに求める目的が「他部署を含めた自然なコミュニケーションの促進」であるなら、メンバー同士が向かい合う対向式と4人島を組み合わせた「対向式4人島型レイアウト」の採用が効果的です。どの席の隣にも必ず通路が通るため、通路を歩くメンバーが通路側から自然に話しかけやすくなり、話しかけにくいという従来の不満を劇的に解消できます。

<関連記事>オフィスレイアウトのデスク配置例|効率性やコミュニケーションを高める設計方法を解説 | 清和ビジネス

効率的なオフィススペースの確保

限られたオフィスの床面積を最大限に有効活用するためには、共有スペースや機能ごとのゾーニングにおいて、効率的な設計アプローチが必要です。コピー機やプリンターといった共有設備、キャビネット類などを一箇所に集約する「サポートゾーン」を適切にゾーニングし、主要な通路と干渉しないよう計画します。
また、増加するオンライン会議への対応として、高い遮音性と優れた換気システムを備えた完全個室ブースなどを部分的に配置することで、大規模な壁新設工事を行うことなく、極めてスマートに個人向けの集中環境や会議スペースを確保することが可能です。

移動しやすさを重視したレイアウト

オフィス内の移動しやすさを重視したレイアウトを設計することは、生産性向上だけでなく、従業員の偶発的なコミュニケーションの誘発に多大な価値をもたらします。

たとえば、通路を単なる「通り道」として捉えるのではなく、部署やグループを横断した従業員同士が自然にすれ違い、立ち止まって雑談を交わせるような意図的な余白と出会いの仕組みを創出することが可能です。そこが社内コミュニケーションを活性化し、イノベーションを引き出す特別なエリアへと生まれ変わります。こうした、日常的な移動のストレスを極限まで低減させた、安全で快適な回遊性の高いレイアウトを追求しましょう。

コミュニケーションが活性化するオフィス事例集

コンセプトを生かしたオフィスデザイン事例

明確なコンセプトを策定し、それを実際の空間設計へと落とし込むことで付加価値を生み出した、清和ビジネスによるオフィスデザイン事例をご紹介します。

清水建設株式会社 名古屋支店

清水建設株式会社 名古屋支店の導入例では、社員一人ひとりの声を一から丁寧に集めてオフィスを構築するプロジェクトを推進しました。「コミュニケーションHUB」を目指し、複数フロア間の隔たりを解消、他部署や外勤メンバーが自然と混ざり合う空間を実現しています。

空間の中央には吹き抜けを設け、社員の位置情報をリアルタイムで把握できるシステムを導入することで、部署を越えた偶発的な交流を活発にしています。
さらに、ものづくりの高い技術力を魅せる工夫として、7種類の伝統的な「接手(つぎて)」技術をあしらったオープンミーティングスペースを配置。地元愛を体現する飛騨の間伐材を天板に取り入れた「アップサイクル」なカフェテラスや、WELL認証に準拠した健康的な什器を揃え、現場のニーズに寄り添った自律的なABWを実現しました。

※参考:清水建設株式会社 名古屋支店のオフィスデザイン事例|清和ビジネス

株式会社レイ ショーテクニカルユニット

映像演出や機材レンタル、空間システム構築を手がける株式会社レイ ショーテクニカルユニットの事例では、「ゆるやかにつながるオフィス」を目指し、感性を心地よく刺激するクリエイティブな空間を生み出しました。

コンセプトに掲げたのは【RAW&FLOW】で、天井高5.5メートルという倉庫空間のスケールを活かし、建物を支えるコンクリートの柱や梁をあえて隠さずに露出させることで、素材の経年変化を楽しむラフさと温かみを調和させました。間仕切りを最小限に抑え、機材や人の移動効率を最大化するスムーズな回遊動線を緻密に設計することで、部署間の垣根を感じさせない視線と動線の繋がりを確保しています。

※参考:株式会社レイ ショーテクニカルユニット |オフィスデザイン・レイアウト事例| 清和ビジネス

明治ホールディングス株式会社

グループ企業の集約を機に、「通勤してでも出社したい、ワクワク感にあふれるセンターオフィス」を構築しました。在宅勤務の定着が進むなか、ただ機能的であるだけでなく、出社することで従業員のモチベーションや組織のエンゲージメント、グループ全体のブランド価値を大きく高めるオフィスを目指したためです。

「健康もアイデアも」をコンセプトに設計された空間には、随所に「明治らしさ」が表現されています。オフィスの中心にはカカオの木をモチーフにしたシンボリックなカカオツリーを配置し、牧場をイメージした一段高いリフレッシュスペースにはリラックスできるリビングライクな家具を揃えて広がりを演出しました。
また、一日の光の移り変わりを再現するサーカディアン照明や、昇降デスクの脚部にコーポレートカラーの赤をあしらったポップな執務席、メイン動線にあえてはみ出すように設置されたベンチソファ席など、従業員の目線が自然に交わり、会話のきっかけを誘発する仕掛けを空間全体に組み込んでいます。

※参考:明治ホールディングスのオフィスデザイン事例|清和ビジネス

まとめ

オフィスデザインのコンセプトは、企業理念やビジョンを空間として形にし、自社の強みや姿勢を社内外へ伝えるための軸となります。明確なコンセプトを設定することで、ブランディングの強化や信頼獲得、従業員のモチベーション向上、多様なワークスタイルへの適応といった数多くのメリットが得られます。

策定に際しては自社の理念分析や現状の課題抽出を丁寧に行い、動線計画や家具の配置バランスなどの注意点に配慮することが重要です。推進体制を整えて自社に最適化されたコンセプトを策定し、理想的なオフィス環境の構築を進めてみてください。

清和ビジネスでは豊富な経験とノウハウをもとに、企業の目的に応じたオフィスデザインやレイアウトの提案からプロジェクトマネジメント、内装・通信・設備工事までワンストップでサポートしています。働き方改革を体感できるオフィスツアー(東京本社・大阪支店・福岡支店)も実施しております。オフィスレイアウトをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

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