オフィス移転プロジェクトはまず何から始めたらいいの?
投稿日:2025.01.09 更新日:2025.01.14
はじめに オフィス移転プロジェクトを楽しもう!
オフィス移転プロジェクトは大きなチャンス!
オフィスリニューアル・移転プロジェクトの担当になられた方、おめでとうございます!
新しいオフィスをつくる企画に携われるなんて、ワクワクしますよね。
多くの企業において、オフィス移転は5年や10年に1度しか行われない一大イベントです。取引先様や従業員、そして今後入社してくれる人材に対して、企業のイメージをアップできる大きなチャンスですね。
オフィス移転は企業にとって重要な「投資」である
昨今、売り手市場となっている人材採用において、「おしゃれで働きやすそうなオフィスがある」ということは、入社の意思決定に対してかなり大きな影響を与えると言われています。
優秀な人材を確保するために、オフィス移転を「コスト」ではなく会社の成長を左右する重要な「投資」と位置付ける企業が多くなってきました。
では、自社にとって重要な投資であるオフィス移転のご担当者として、まずどんなことから始めたら良いのでしょうか?
一つひとつ確認しながら、ぜひ一緒にオフィス移転プロジェクトを楽しみましょう!
STEP1 物件探しの前にまずは「なぜオフィスを移転するのか」を考えよう
オフィス移転をするとなると、予算はいくらでどのエリアに何坪くらいの・・・ということを最初に検討しがちですよね。しかし、前提として「なぜオフィス移転をするのか=Why?」という目的をしっかりと捉えることが重要です。
移転プロジェクトのスタート時にありがちな失敗は、急に物件を探し始めることです。
オフィス移転の目的をしっかりと整理せずに物件探しを始めてしまうと、不動産営業マンの必殺トークである「こんな好条件の物件はなかなか出ないので、今を逃すともう次はないかもしれませんよ」というのを聞いて浮足立ってしまい、目的に合致しないオフィス物件を契約してしまうことにつながりかねません。
STEP2 「なぜオフィスを移転するのか」を書き出してみよう
企業がオフィス移転を検討しているということは、必ずそこに目的や理由があるはずです。まずはその目的や理由を多くの関係者にヒアリングして書き出すところから始めましょう。
弊社がこれまでにオフィス移転をご支援してきた多くの企業様からは、下記のような目的や理由が挙げられました。
- 社員の増員と出社率アップにより、今のオフィスでは手狭になったから
- 社員にもっと健康的で働きやすい環境をつくってあげたいから
- 会社の見栄えをもう少し良くしないと優秀な人材を採用できないから
- 部門間のコミュニケーションが少なく、もっと交流してほしいから
- オンライン会議の増加に伴い会議室が足りなくなっているから
これらの目的や理由は、担当者だけで想定したものではなく、各部署の責任者や社員一人ひとりにヒアリングした結果から出てきたようです。
イスを座り心地の良いものにするなど、比較的分かりやすいオフィス環境の改善だけではなく、「向こう数年の増員計画に対する席数不足や労働環境を改善することで社員の離職率を下げたい」といった経営課題についても経営陣にしっかりとヒアリングをしておきましょう。
「Why?」があれば立ち戻りやすくなる
個人の引っ越しと同様、オフィス移転においても好物件との出会いは運にも左右されることがあります。その結果、物件探しが長期化してしまい、時にはご担当者に焦りや迷いが出てくる場面も出てくることでしょう。
こうした状況のときに、この「Why?」をしっかりと捉えていないと焦りが妥協につながり、当初の希望とかけ離れた物件、つまり移転の目的をしっかりと果たせない物件で手を打とうとしてしまう危険性があります。
プロジェクトを始める際に、この「Why?」を捉えておけば悩みが生じたときに立ち戻りやすくなります。ぜひ、時間をかけてしっかりと考えて書き出しておきましょう。
STEP3 「移転によるゴールイメージ」を明確に設定しておこう
当然のことですが、企業のオフィス移転には多額の出費が伴います。数千万円、時には数億円もかかるオフィス移転プロジェクトを始める前に、しっかりと定量的なゴール設定をしておくことをおススメします。
ゴールが明確になっていると、後に行う物件探しもしやすくなりますからね。
ゴール設定と急に言われても少し難しいので、例をご紹介します。
例えば、下記のようなゴール設定をしたとします。
【移転の目的】社員数増と出社率アップで今のオフィスでは手狭になったから移転をしたい
【これまで】社員数80名×出社率50%=毎日40名が出社して執務
【ゴール(移転1年後)】社員数100名×80%=毎日80名が出社して執務
上記のようなゴール設定の場合、最低でも現状より倍の広さの執務スペースが必要となります。さらに、交流スペースの設置などを想定すると、延べ床面積は今の80坪の250%くらいは確保しないといけないということが予測されます。
このようにゴール設定をしてみると、「現在のオフィスが80坪で、40名が出社して執務をしているとかなり圧迫感があるから、新オフィスは200坪程度を確保したいな」という計算ができますね。
ほかにも、以下のようなゴール設定をされた企業もいらっしゃいました。
- 健康的に働ける環境を用意することで、体調不良による欠勤を従来の20%以下にダウン
- 執務スペースや面接用会議室のイメージを改善することで、内定提示後の辞退率を5%未満にダウン
物件探しをする際に「今のオフィスが手狭になって、このままではマズいんです!」という話しかできないと、相手も候補物件の絞り込みがしづらくなってしまいます。しかし今の例のように、「現状はこうなっていて、1年後のゴールはこのように設定しているので、見合う物件を中心に探してほしい」と具体的にリクエストすれば、良い物件を見つけてもらいやすくなるかもしれませんね。
オフィス移転の目的と、どのようなゴールを達成したいのかについて定量的にイメージしておくということは、システム開発を外注する際の要件定義書を作成するようなものです。
現状は「ここに問題があり、こう改善したいから新システムにはこのような機能が欲しい」という要望(要件定義)をしっかりとまとめなければ、良いシステム開発はできないはずです。
ぜひオフィス移転プロジェクトをスムーズに進めるためにも、「Why?」と「Goal」を明確にしておきましょう。
STEP4 オフィス移転のプロに相談してみよう
「Why?」と「Goal」を明確にしたら、そのゴールを達成するためにはどうしたら良いかをオフィス移転のプロに相談してみましょう。
あれ、お気づきですか?そうです。このタイミングで「不動産屋に相談に行きましょう」とは言いませんでした。オフィス移転のプロに相談していただきたいのです。不動産屋さんは物件探しのプロではありますが、あなたのオフィス移転のゴールを満たすための条件を熟知しているわけではありません。
例えば、下記について詳しい不動産業者さんはあまりいらっしゃらないですよね。
- 常時80名が出社する予定のオフィスに休憩スペースを設けたいけど、どれくらいの広さが必要?
- オフィス内にカウンターカフェを作りたいのだけど、キッチンは作れるの?
- 動画配信を行うスタジオをつくるには、どんな設備がビルに必要?
さらに、消防法が関わる話やビル側の工事が必要となる話の場合、こういった話に不慣れなご担当者だけで交渉や解決をすることはできません。専門知識があり、経験豊かなプロと共にオフィス移転のコンセプトを練っていくことで、よりオフィス移転の成功に近づくことでしょう。
目的とゴールが決まったら、まずは弊社のようなオフィス移転のプロにご相談してみてください。
もちろん、ゴール設定が難しくてできないよ、という場合でもご相談に乗らせていただきますのでご安心ください。
STEP5 物件探しを始める前に「競合」のことも調べよう
「Why?」と「Goal」を明確にして、オフィス移転のプロに相談したからもう安心!と言いたいところですが、まだご担当者にはやっていただきたいことがあります。
それは「競合」のオフィスを調べるということです。
自社の移転目的やゴールが明確になり、予算を提示すれば、物件自体は良い候補が出てくるかもしれません。しかし、ここでしっかりと確認すべき点は「競合はどこにどんなオフィスを構えているのか?」ということです。
貴社にも下記のような競合企業があるはずです。
・日々の営業プレゼン時にコンペ先としてよくバッティングする企業
・良い中途人材がいて内定を出したのに採られてしまった企業
これらの競合企業がどんなオフィスを構えているのか、調べたことはありますか?
ここで事例をお話しましょう。
弊社のお客様であるA社は、いつも営業現場でバッティングする競合B社がオフィス街の中心に建設予定の高層ランドマークタワーに入居するという情報をキャッチしました。
情報を聞いたA社は緊急役員会を開催し、自社も同ランクの新築ビルに入居するということをその日の内に意思決定しました。
A社の経営陣は、お取引先や営業先、入社候補人材に対して「構えているオフィスが与える印象の大きさ」についてしっかりと認識されており、だからこそ競合B社に見劣りするようなオフィスに入居したままではすべてにおいて負けてしまう、ということに強烈な危機感を持たれた、ということですね。
これは大英断だと言えると思います。
オフィス移転時に物件を探す際は、まずは競合会社が入っているビルの住所、グレード、想定賃料(不動産会社であれば概ね金額感は答えられます)を一覧にしてみましょう。
そのうえで、もし経営陣から提示されている移転プロジェクトの予算内では到底同レベルのオフィスビルに入居することができないことが判明した場合には、予算の増額を交渉されても良いかもしれません。
特にWhy?の中に「競合に見劣りしないため」「最先端のイメージを関係各位に与えるため」などの理由がある企業様にはおすすめです。
まとめ やることは多いけど移転プロジェクトを楽しもう!
いかがでしょうか?かなり多くの情報をお伝えしたので、お腹いっぱいですよね。
でも、ある意味では社運をかけたプロジェクトがあなたに託されたわけですから、ここはぜひ楽しみながら進めていただきたいと思います。
清和ビジネスにはオフィス移転をサポートする専門部隊がいます。
現状のオフィスを分析する、オフィス移転の「Why?」や「Goal」を整理する、おしゃれなオフィスをデザインするなど、オフィス移転に関しては一気通貫してお手伝いいたします。
もちろん全国のオフィスビルデベロッパー、ゼネコン、不動産会社と連携し貴社にピッタリな物件をご紹介することも可能です。
オフィス移転のご担当になられた方は是非、清和ビジネスへお問い合わせください。
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